室蘭昆布

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室蘭昆布

~室蘭のヤヤンコンブ~

北海道、噴火湾東端にある室蘭。その先に絵鞆半島が腕を鈎状に曲げた様に突出します。外側は太平洋に面して高い断崖絶壁が美しい景観を示し、内側は低くなり静穏な室蘭港を形成します。この半島の岩礁地帯にヤヤンコンブが生えています。

ヤヤンコンブは、札幌農学校の宮部金吾博士がコンブ類の生物学的調査を行うことによって得られ、「北海道水産調査報告 巻之三 昆布採集業」(1902年)において、新種 Laminaria fragilisとして記載されました。ヤヤンとはアイヌ語で普通の、棄てるという意味のようです。もしかしたら自家消費の昆布であったか、あるいは北前船に載らず商品にしない昆布だったかもしれません。

種名の fragilis は、もろいという意味です。葉がもろく砕けやすい性質を表しています。夏季に、形態では2年目のマコンブと似ていますが、それより小形で薄い葉を示します。水溶性粘性多糖類(アルギン酸、フコイダンなど)、多様なミネラル類の含有はマコンブのものとほぼ同等です。これは絵鞆半島の独特の環境で育ったマコンブの変種ではないかと思われますが、一方でヤヤンコンブは室蘭地域の人々に長く親しまれ、その特徴をよく生かして様々な魅力的な商品が生まれています。葉のもろさは、現代の食品加工に適応し、まろやかな食感、成分抽出の容易さに繋がります。

この地域にしかない希少なヤヤンコンブは、海の自然資源として室蘭で大切に守られながら、これからの食、健康、美容にその可能性をますます広げます。

令和4年2月

北海道大学名誉教授・北海道立工業技術センター長  安井 肇

 

 

昆布×美容・健康 豆知識 社長のブログ

 

 

栄養成分等データ出典:■日本食品標準成分表2010 ■日本昆布協会

 

 

 

 

 

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